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長年の経験が生む確かな品質。 ふたたび注目される真綿ふとん。/コドモわた株式会社 商品開発ストーリー

一つの製品には、多くの思いが詰まっている。
FUTONSTARのアイテムに込められた開発者の思いをご紹介する、商品開発ストーリーの第三回は、創業100年以上の老舗コドモわたの商品に込めた思いをご紹介します。

創業100年以上の老舗「コドモわた」

明治32 年函館の地で、初代河村織右ヱ衛門により創業されたコドモわた。明治時代には、弓打ちという人力での製綿を行っていましたが、遠く熊本より製綿機を購入し、北海道で初めて発動機を使用した製綿を行った会社でもあります。

社名にもある「コドモわた」には、「コドモのように柔らかいわたのお布団をご提供する」という意味が込められてます。現在でも、函館の自社工場には高い技術を誇る布団職人が在籍。伝統の製法で人の手により綿布団が作ることができる、日本でも貴重な工場です。綿花の原料を輸入し、自社工場で加工が可能。生地・わたともに綿100%のオーセンティックな綿布団が製造できる、国内でも数少ない布団工場です。

家庭で布団にわたを入れるのが当たり前だった時代、コドモわたブランドのわたは、北海道・東日本を中心に多く流通していました。

ふたたび注目される、真綿のふとん

冬用のあたたかい布団といえば今や羽毛布団やポリエステルわたの布団が定着していますが、健康志向が高まった現代、真綿(まわた)布団のやわらかい肌ざわりや優れた吸湿発散性といった、からだにやさしい特徴が評価され再び注目が集まっています。
昔から高級布団として知られてきた、シルクわたを用いた真綿布団ですが、多くの方にその良さを伝えたいという思いも込めて、高い品質はそのままに、お求めやすい価格でお届け出来るよう、コドモわたは真綿布団の新たな製品開発に取り組んでいます。

そもそも、真綿布団とは?

「真綿」(シルクわた)と聞いても、多くの方はふつうのわたとの違いがわからないかと思います。
「真綿」とは、蚕の繭を引き伸ばしてわた状にしたもの。同じ繭からできる「絹」は1本の繭糸を集めて紡いだ生糸でできた織物のことをいいます。
天然繊維の女王ともいわれる「絹」と姉妹関係にある「真わた」は絹と同じく軽く、強く、温かい特徴を持ち、寝具には最適な素材なのです。

シルクの元となる蚕の繭は、人間の皮膚と同じ成分のタンパク質(18種類のアミノ酸)から構成されており、第二の肌とも呼ばれるほど人間の肌と相性がいい繊維です。

布団づくりの技術を次世代に

初代河村織右ヱ衛門から数えて十代目となる河村佑太社長は、37歳の若さでコドモわたの社長に就任。日本の布団産業の衰退や、職人の数の減少を危惧し、「真綿布団は昔ながらの布団だというイメージを払拭したい。機能面で優れていることはもちろん、化学繊維を使用していないエコな布団でもあるんです。日本の布団の魅力を若い世代にも伝え、どんどん職人の仕事を増やさなければならない。」と、ネット通販を中心に、真綿布団や伝統的な和布団の販売に力を入れている。

社長に就任し、まずECでの販売をテコ入れした河村社長。「まだまだ多くの人に真綿布団を知ってもらえるチャンスを作らなければいけない」

「原料の価格や生産効率の問題をクリアし、お求めやすくするためにはまだまだ課題が多いですが、『TSUMIKI FUTON』を皮切りにデザイン面でも特徴のある布団を開発し、まずは見た目からでも、真綿布団を知ってもらうことが大事。知ってもらえれば、きっと気に入って手にとって頂ける方も増えるはずです。」と語る河村社長。
モノに溢れた現在、つい「安物買い」に走ってしまいがちですが、品質や持続可能性などを考え、本当に良いものを吟味することが、わたし達の未来にとっては「お得」なのかもしれません。

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